使用ソリューション:PROTSⅣ

永井産業 株式会社

二百余年に及ぶ紙販売を礎に
多角化経営に未来を託す。

【JPICBOX 2016 NO.28 掲載】

白く輝く世界遺産・姫路城の城下町に創業以来、二百余年の歴史を刻む永井産業株式会社。
その長い歩みを紙一筋に捧げた同社が今、積極的な多角化経営で注目を集めています。
本業の紙卸と広範囲に及ぶ新規事業を両輪に、将来を見据えた経営を進める同社では、2015年3月のPROTSⅣ採用により、システムの合理化とネットワークのさらなる強化を実現しました。

需要減少傾向の紙業界の中で生き残るための多角化方針

 永井産業の歴史は享和元(1801)年、前身である∮菊屋の創業に遡ります。昭和22年には永井商店として会社設立、同24年に現在の永井産業株式会社に改称、現在の永井敬裕会長で8代を数える姫路でも有数の老舗企業です。

 ほぼ200年に亘り紙一筋に歩まれた永井産業でしたが、創業200周年の節目となる2000年前後から多角化経営へと舵を切り、さまざまな新規事業をスタートさせています。その理由について、永井会長は次のように話されます。

 「私は大学で商品学を学んだのですが、1995年頃に母校の先生から“紙需要はこれから減少する”という話を聞きました。理由は人口の減少、社会のソフト化、円高による海外進出、そして地球環境問題。これらの理由で紙需要が減少するとしたら、道は二つです。ひとつは社内の人員整理、これも私どもでは200年間行われなかったことですが、これに踏み切って会社規模を縮小するか、そうでなければ業態転換しかないと。創業200年を迎えて、今後も社員を守ってゆくために新規事業への進出を決意したのです。」

 現在、永井産業が手がける事業は主なものだけでも、本業の紙卸とその加工部門としての製本業、不動産・賃貸業、リース業、物流業、アグリ事業(農業)、太陽光発電事業、さらに関連会社による化成品事業と多岐に亘ります。2015年には、それまで新規事業を主に担当されてきた林叔子氏を社長に抜擢。社業全体の統括と紙卸事業を永井会長が、新規事業を林社長が中心となって行う両輪体制で経営にあたられています。

代表取締役会長 永井 敬裕さん

注目を集めるアグリ事業では生産から販売までの6次化を目指す

 永井産業の多彩な新規事業の中でも、各方面から注目を集めているのがアグリ事業、つまり農業です。その経緯について、発足当初から携わってこられた林社長にうかがいました。

 「農業進出のきっかけは、姫路北事業所の用地を買収した際、市街化調整区域で建物を建てられない広い土地が付随していたことです。ここを何とか利用できないかと調べた結果、農業ならできると。全く経験のないゼロからのスタートで、相談に行った役所の担当者にも“無理です”と言われるような状況でしたが、何度も役所に通い、一つひとつ手探りで進めてゆく中で、次第に認めていただけるようになりました。2013年には農業経営改善計画の認定も受け、現在は計画生産が可能なハウスでの水耕栽培によるネギやレタス、小松菜、水菜などの野菜の出荷とともに、稲作やさつま芋の栽培も手がけています。」

 農業への進出は、さらなる事業展開も生み出しました。林社長によると、さつま芋の栽培は比較的手がかからない代わりに、形が良くそのまま出荷できるのは1割程度とか。それ以外の使用用途を模索する中から芋焼酎の製造に進出し、オリジナル芋焼酎の開発・販売にも成功しました。

 「アグリ事業の次の目標は、生産から製造・販売までを一貫して行う6次産業化。姫路には農水産物を始めとしたおいしい地元食材が豊富にありますから、自社生産品も含めた地元食材による食品製造や販売、さらにそれを提供するレストラン経営まで視野に入れています。また将来的には、当社が所有する山林を活用した林業分野への進出も実現したいもののひとつですね。」(林社長)

代表取締役社長 林 叔子さん

改善されたシステム環境で拠点とさらに緊密な連携

 永井産業では2015年3月、PROTSⅣの導入によるシステムの一新を図りました。導入の経緯について永井会長はこう話されます。

 「今回、システムを一新した最大の目的は、クラウド化の実現です。従来のシステムではそれができなかったこと、また紙業界で多くの導入実績があることなどから、JPICさんのPROTSⅣを選びました。」

 永井産業では本社の他に、業務の中心となる北事業所、ロジスティクス倉庫、マリン倉庫という2つの倉庫、大阪支店、岡山支店の各拠点があり、さらに4社の関連会社があります。今回のPROTSⅣ導入では本体の6拠点に加えて関連4社までを完全ネットワーク化し、データの連携や会計の一体化も実現。2つの倉庫にはバーコードを使った倉庫管理システムも採用しました。実際の現場でシステムに携わっておられる管理部長の田中和子さんに、PROTSⅣ導入によるシステム環境の変化についてうかがいました。

 「これまでのシステムは画面表示が判りにくく、習熟しないと使いこなすのが難しいため、引継ぎに時間がかかるなどの難点が。またしばしばフリーズを起こすため、回復まで最低でも30分、悪くすると半日も全拠点がストップしてしまうこともありました。PROTSⅣで改善した点は、まず基本的なことですが止まらないこと。さらに画面表示も判りやすくなり、切り替えの際も旧システムとの併用期間を1ヶ月ほど取りましたが、その間に各自で操作しているうちにマスターすることができました。関連会社や会計も含めて連携されたことで二重入力の無駄が解消されましたし、データをエクセルに書き出すのが非常にスピーディになったことも大変助かっていますね。」

 システム導入から約1年、実際に使い始めてから浮上したいくつかの問題点や要望も改善され、さらにブラッシュアップされたシステムとなっているそうです。



紙卸業という幹を保ちつつ新規事業の枝葉を繁らせる

 システム環境の改善により、基幹である紙卸事業の合理化も実現された永井産業。多彩な新規事業とともに、今後の同社の目指すべき展望について永井会長にうかがいました。

 「紙業界の将来を考えると、減少こそすれ拡大は期待できないというのが現実です。当社の紙卸部門も売り上げベースではピーク時に比べて減少していますが、しかし利益ではほぼ横ばい状態。そこは合理化や効率化で、紙に関しては横ばいを保つことができればいいと私は考えています。当社の業績の9割以上はまだ紙が占めており、幹であることは間違いありませんが、この幹をこれ以上太くすることはできない。そこで新規事業という枝を増やし、枝葉を茂らせることで将来の発展に繋げてゆきたいと考えています。」

業務の中枢や関連企業の工場などが入る広大な姫路北事業所の全景。屋根には太陽光発電パネルが並び、周囲にはアグリ事業のハウスや農地が広がる。

企業プロフィール

本社 兵庫県姫路市北条宮の町385番地 永井ビル7階
姫路北事業所 兵庫県姫路市山田町南山田1001番地
TEL 079-282-2061(代)
代表取締役会長 永井 敬裕
代表取締役社長 林 叔子
創業 享和元年(1801年)
設立 昭和22年(1947年)6月
資本金 3,862万円
従業員 55名
導入月 2015年3月
URL http://www.nagai-co.com/
※本文中の肩書および内容は2016年取材当時のものです。
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